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医院開業〜メディカルコラム〜

社会保険労務士
森 咲江

社会保険労務士として医業経営に携わる。採用・雇用から人事労務管理、公的資金活用相談まで幅広く対応している。



成功する医院開業の裏ポイント


如何に人の心を掴めるか?
開業するからには成功させたい医院開業。そのために、入念な診療圏調査の上、医療機器を揃え、医療提供体制を万全に整えていきます。医業はサービス業であると言われて久しく、患者視点に立った医院の環境作りが必要であることは、もはや言うまでもありません。患者さんにとって居心地のよい待合スペース、プライバシーの確保を充分に検討された診療スペース、患者さんとスタッフの動線が交わらない効率の良い平面計画、最新の医療設備の導入など、万全の準備態勢が整っていれば必ず成功できるのでしょうか?
答えは否です。潜在的に、充分な受療人口が見込まれる場所に開業し、可能な限り万全の準備態勢が整っていて、先生ご自身の確かな腕がある。他に何が足りないかお分かりですか?それは、「いかに人の心を掴めるか?」という人心掌握の能力なのです。


CS経営という視点
顧客満足度(Customer Satisfaction measurement)はサービス業においては最も重要な指標です。医院経営では、患者満足度と置き換えて考えると良いでしょう。医院の経営は、どのくらいの患者さんに来院いただけるかにかかってきます。患者満足度を高めることで、患者さんの囲い込み(リピーター化)が実現します。「このクリニックで引き続き治療を受けたい」「次に病気になったときもまたこのクリニックで相談したい」一度ご来院いただいた患者さんにそう思ってもらえるための努力を怠ってはなりません。
リピート率を上げる=顧客満足度を上げるために、たとえば、アパレルのブランドショップでは、店頭スタッフは各々自社ブランドの服を着ています。まずは、自分たちの売る商品を好きになる、自社ブランドに愛着をもつことで、よりよい対応をさせ、結果を出させることが目的です。従業員を自社のファンにする、顧客と捉えることが結果として顧客満足度の向上につながると考えられています。
これはクリニックにおいても同様です。意味合いは少し変わってきますが、良いサービスを提供するにはスタッフの自院に対する愛着、前向きで肯定的な思いを持たせることが欠かせません。
さてここで、ある医療機関で行った患者アンケートの結果をご紹介しましょう。『今回のご来院は満足いただけましたでしょうか?ご不満の場合、その理由は何ですか』との質問に対して、2割の方が「医師の治療内容が不満である」3割の方が「待ち時間が長いことが不満である」そして5割の方が「スタッフの対応が不快である」という回答でした。待ち時間の長さへの不満は運営オペレーションがうまくいっていないこと、患者さんへのスタッフの配慮が足りないことで表面化しがちです。つまり8割がたの患者不満足度要因がスタッフに起因していると考えられます。
このことから、クリニックにおいて、CS=患者満足度を向上させるためには、まず、スタッフの満足度を向上させることが先決であるといえるでしょう。自院への愛着をもたせ、クリニックの顔として患者さんが満足できる対応をさせるためには、どうすればよいのでしょうか。


スタッフの士気を高めるには?
診療所開業の際、今まで勤務していた病院と大きく異なる点は、スタッフの規模です。病院では院内の分業が系統立てて行われています。各職場に配置されたスタッフは、自分の担当領域の業務をこなして行けば、自然と業務がつながるシステムになっているはずです。しかし、診療所は違います。特に開業当初は多くのスタッフを雇用できるわけもなく、必要最小限のスタッフが有機的に業務をこなしていく必要があるのです。
しかしながら、患者さんにとっては大病院の外来も、身近な診療所も大差ありません。また、提供できる医療の範囲は限定されるでしょうが、日々の診察の流れに大きな違いがあるわけでもありません。分業が出来ない分、スタッフに高い資質が求められることになります。
初めて開業した先生が陥りがちな問題としては、病院時代の感覚で看護師や受付事務のスタッフに対応してしまうことです。チームで診療サービスの提供にあたるという感覚がない先生であれば、ナースや受付スタッフが患者さんとのコミュニケーションを取れるだけの情報がいきわたらず、スタッフは、何をどう対処していけばよいのか迷う原因となり、結果として、スタッフのモチベーションは下がる一方です。
次回コラムでは、新規開業にあたって、医師がどのように視点を変えていくべきか、また院内の協業体制をいかに組み立てていくか、スタッフのモチベーションを上げるにはどうすればよいかといった点についてご案内します。