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医院開業〜メディカルコラム〜

看護師・医療コーディネーター
吉村 祐子

看護師としての医療現場での経験を有する医療コーディネーター。メディックス総合研究所員


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医療現場での接遇


医療現場での接遇


患者さんに選ばれる病医院
昨今、医療機関でもサービスの向上が叫ばれてきています。
今は、医療現場への患者さんの意識も従前とは様変わりして、患者さんの側から自分のニーズに応じた病医院を選ぶ時代です。
医療を含めたサービス全般において、『患者さんにどれだけ満足してもらえるか』が重要になってきます。例えばインフォームドコンセントに代表されるように、心理的ケアにも質の高いサービスが求められています。
平成13年度厚生労働省『医療施設経営安定化推進事業報告書』によると外来患者が病医院職員の基本的な接遇態度に足りないと感じている事項で、最も多かったものが、「励ましやいたわり、暖かみのある態度」となっており、そこからも心理的ケアの更に良質なサービスが求められている、ということがわかります。


患者満足度という視点
 患者さんにとって良い病医院とは何でしょうか。当たり前のことですが、それは患者さんの立場に立った医療を行う病医院です。これからの病医院は良いサービスを提供することにより患者満足度を高めていくことが不可欠です。それは翻って病医院経営という側面からも非常に重要な事柄です。
現在ではインターネットが普及し、患者さんにとって様々な病医院の情報を得られると同時に、病医院の“口コミ情報”が発信されています。
医療サービスの性質上、この口コミ情報は、病医院から発信される情報以上に、患者さんにとっては「信頼度の高い情報である」と受け止められています。患者満足度を高めることで、病医院の宣伝広告効果にもつながってくるのです。


医療現場での接遇
 医療の現場における接遇の基本マナーは、患者さんや、その家族の方々と相対する過程すべてにあてはまります。
来てくださる患者さんに対して、肉体的、精神的な痛み、辛さ、苦しみなどを受け止め理解していくことがとても大切です。
そして患者さんの身になって真剣に耳を傾け「聴く」ことです。すべては、相手の立場に立つことから始まります。また、患者さんやご家族に、良い印象を持ってもらうためには「言葉」「態度」「身だしなみ」も大切になってきます。
例えば自分が心身ともに弱った状態で病院を訪れた時、病医院スタッフにとても冷たい態度を取られたらどのように感じるでしょうか。
普段なら気にもとめないことでも、弱っている時には、とても重要なことに感じられてしまうことが多いのです。その、ぞんざいな態度や冷たい対応が患者さんの印象に残ってしまいます。医療者側にとっては、忙しいからいちいち対応していられない、という本音もあるでしょう。
しかし、たった1つの行為がその病院の評判を大きく左右させてしまうこともあるのです。反対にいたわりや暖かみのある態度があれば、それが患者さんに安心感を与え、病医院に対する信頼にもつながっていきます。
自分自身がもし医療を受ける側であったらどうであろうということを常に念頭に置いていくことが大切です。


今、求められること
私は「医療とは究極の接客業である」と位置づけ、接遇には戦略的なコンサルティング、患者の疾病別、年齢別などに個別に対応するプログラムが必要であると感じています。院長の人柄、スタッフの接遇・応対、院内環境、運営オペレーション、マネジメント・・どれが欠けても成功する医院経営はありえません。中でも接遇マナーは、医院経営における大切な戦術の一つであるといえるでしょう。この、「接遇」という言葉の中には、人事や労務、研修、そして医療従事者としてのモラル、医療技術など、様々なニュアンスが込められています。広義の意味での環境への配慮や弱者に対する差別のない社会といった院長自身の医療従事者としての文化が問われているといっても、過言ではありません。


今、病医院経営を行うにあたり、きわめて難しい時代を迎えています。
このコラムでは、医療コーディネーターとしての立場から、成功する医院経営のための接遇のポイントを、様々な視点、側面からお伝えしていきたいと思います。